食事・水分について

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食事・水分について

腎不全治療に透析治療が開始され半世紀が過ぎました。徐々に透析の機械や透析膜などが高性能化されてきましたが、現在でも正常腎臓の約1/10を代行しているに過ぎません。
そのため、十分な透析治療と食事療法を並行して行っていく必要があるのです。

どれ位のエネルギーが必要なの?

目標エネルギー量kcal=標準体重kg×30~35(標準体重kg=身長m×身長m×22)

十分なエネルギー摂取を心がけましょう透析患者さんは何もしないでいるときに消費するエネルギー量が透析を行っていない方に比べて多く、エネルギー不足に陥りがちです。
また、味の感覚が落ちてしまっている方も多く、食欲がわかず、十分なエネルギーが摂られていないこともあります。
元気に長生きするために、十分なエネルギー摂取を心がけましょう。
糖尿病の方は、今まで通りのエネルギー摂取を継続してください。

タンパク質制限はまだ必要なの?

目標タンパク量g=標準体重kg×1.0~1.2

透析を開始される前までのタンパク制限量は20~30gと言われて頑張ってこられたと思います。
透析患者さんでは、透析治療に伴う微少炎症の持続や代謝性アシドーシスなどのために筋肉の中のタンパク質が壊れてしまいやすく、また、透析治療中に老廃物と一緒に6~8gのアミノ酸が血液から除去されてしまいます。
そのため、透析患者さんにはむしろ十分なタンパク質の補給が必要であるとされています。
ただし、タンパク質の多い食べ物にはリンが多く含まれており、バランスが難しいところです。

ラーメンのスープ全部飲んでもいい?

目標塩分量g=目標体重kg×0.15(目標体重=ドライウエイトともいわれています。)

ダメです。インスタントラーメンでは麺+スープで約5~6gの塩分が含まれています。
それだけで1日分の塩分の大半を摂ることになり、現実的ではありません。
スーパーマーケットなどには「減塩食品」とかかれた調味料が多く並んでいます。ナトリウム量が通常食品の50%以下のものしか「減塩食品」と表示できないので、味方になってくれるはずです。
また、食べる直前にかける・つけることで、少ない塩分でしっかりとした味わいを感じることができます。
楽しく減塩生活を送りましょう。

イチゴを口一杯頬張りたい!

目標カリウム量g=1.5g以下

気持ちは良く分かりますが、止めてください。不整脈を起こして心臓が止まってしまうかも知れません。
果物や野菜にはカリウムが多く含まれます。細かく刻んで水にさらしたり、茹でこぼしたりすことで約1/4に減ります。
血液検査で5.5mEq/Lを越えないように注意しましょう。

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リンの多い食事ってどんな物?

目標リン量mg=700mg

リンは、あらゆる食品に含まれ魚介類や肉類、乳製品に特に多く含まれています。
また、調理法による減量は期待できず、リンの少ない食品を摂るしかありません。
各会社から低リンの乳飲料やそば、ハンバーグなども発売されており、ご利用いただければと思います。
血液検査で6.0mEq/Lを越えないように注意しましょう。

お水ってどれ位飲んでいいの?

食事外水分量ml=目標体重kg×15+現在の尿量ml

お水をたくさん飲むと、心臓への負担が増えてしまい、ひどいと心不全になってしまいます。
透析間の体重増加が目標体重の5%以上になると、途中で血圧が下がってしまって1回の透析では水分を除去しきれなくなります。また、塩分を摂りすぎると、その分水分も飲んでしまうからです。
氷をなめたりして、長い間水分を楽しむのも良いかもしれません。


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