オンラインHDF(血液透析ろ過)

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オンラインHDF(血液透析ろ過)

みなさん「血液透析ろ過」という言葉をご存知ですか?HDF(HemoDialysis Filtration)と呼ばれていたりもします。通常の血液透析では、血液を体から取り出して透析膜という小さな穴の開いたストロー状の糸の中を通して透析液と触れさせれ、それにより血液中の不要な老廃物を取り除きます。一方、血液透析ろ過では、これに加えて透析中にたくさんの点滴を行いろ過することで、よりきれいな血液にして体に戻すことができます。同じ洗濯物でも、ほんのちょっとの水で洗うより、たくさんの水でジャバジャバ洗うほうが、洗濯物の汚れの落ちが良いのに似ています。実際に、血液透析では取り除くことが難しかった低~中分子量のたんぱく質を血液透析ろ過により取り除くことができるといわれています。

透析患者さんは前回の透析終了後摂取した水分を体にためたまま次の透析に臨みます。水分は、血管の中や体の色々な組織の中にたまっています。透析治療では、血管の中の余分な水分を取り除きます。通常、血管の水分が減ってくると、まわりの組織からたまっていた水分が血管内にしみ出してきます。この「しみ出し」が順調に行われないと、透析中に血圧が下がってしまうことになります。血液透析ろ過では、この「しみ出し」がスムーズに行われ易いために、透析中に血圧が下がりにくくなります。

血液透析ろ過を行うためには、専用の透析装置があり、多くの場合は4~5個(8~10L)の透析液の袋を吊り下げて点滴をしながら透析をしますが、自施設の透析液をそのまま使って血液透析ろ過を行う「オンラインHDF」という技術が開発されています。より多くの点滴(10~70L)を行いながら透析治療を行うことにより、よりたくさんの老廃物を効率よく取り除くことができるのです。洗濯板でゴシゴシ洗うのと洗濯機でジャブジャブ洗うのでは、汚れの落ち方が違いますね。透析液を体に直接入れる治療法のため、透析液をよりきれいに保つ為の高い技術が必要になりますが、今まで除去できなかった老廃物を取り除くことが期待できます。

アミロイドーシスの原因物質であるβ2ミクログロブリンもその低~中分子量のたんぱく質です。血液透析ろ過(HDF)では効率よく取り除くことが出来るため、従来の血液透析療法に比べてアミロイドーシスの悪化リスクを1/10に抑えることが出来ます。更に、オンラインHDFでは、相対リスクを1/100以下に低下させることが出来るとされています。また、かゆみや関節痛、イライラ感にも有効であるとの報告もあります。

写真:透析室
透析室
当院で使用している透析監視装置 東レ TR―3000MAは平成24年3月下旬にオンラインHDFの認可を取得しました。まずは、心疾患をお持ちの患者様や血圧低下をきたす透析困難症の患者様から徐々に開始しました。その後、徐々に機器の整備を行い、8月6日から当院通院中の全ての患者様でオンラインHDFを行っております。

オンラインHDFをはじめて、「かゆみが減った。」「おしっこが出るようになった。」「透析中の不整脈が止まった。」など、患者様からも高い評価を頂いております。オンラインHDFは次世代透析の新基準になる治療法です。さが医院は秋田県唯一のオンラインHDF専門透析施設として生まれ変わりました。今後、他施設に先駆けて多くの透析患者様にオンライン血液透析ろ過(HDF)の素晴らしさを伝えてまいります。


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